知っておくべき違法行為についての知識
なぜ、違法行為がまかりとおっているのか?
「証明」が難しい歯科助手の医療行為
「違法行為を指示されたら」で、管轄の保健所や歯科医師会への通報という手段を伝授しましたが、実際「違法行為撲滅」にどれほどの効力を持つのかというのは、はなはだ心もとないというのが現状です。
というのも、歯科助手の違法行為というのは、証明するのがなかなか難しいという実情があります。外部から見ただけでは、同じような格好をしていますから、その人が歯科助手なのか歯科衛生士なのか、はたまた女性の歯科医師なのか見分けがつきませんし、患者さんにとっては「どこまでが歯科助手の仕事内容なのか」なんて知るよしもありません。
「先生がやってくれないの?」という疑問を抱いたとしても、特別処置に問題がなければ、どこかに訴えることもないでしょう。(実際、先生より器用な助手さんというのも存在するようです)
警察も同じですが、何か「事件」が起こってから初めてその原因追究に動くというのが、監督機関のやり方です。目を光らせていれば、未然に防げることもあると思うのですが、「明らかな不正や、医療ミス・事故が起こった」という段階で、初めて歯科医師会の「監査」が入ります。「事実」が目に見える形として現れない限り、明確な罰則はないというのは、なんとももどかしい限りです。
監査は事前通知あり
「監査」というのも形式的な嫌いがあります。医療ミスばかりでなく、保険の不正請求の疑いがある場合なども「監査」の対象となりますが、事前に必ず「何月何日の何時ごろ伺います」という連絡が入るそうです。
義父が亡くなる直前、あとどれだけ診てあげられるかわからないという段階になったとき、ひとりの患者さんあたりの1日の診療内容が普通では考えられないくらい多くなり、「これは不自然じゃないか」と監査が入ったことがあったそうです。
カルテの改ざんなど、何かやましいことがあるわけではないので、いつ来てもらっても良かったのですが、そのときもやはり事前に連絡があったそうです。歯科医師会の人も顔見知りですから、「問題ないですね」と和やかなムードで話していっただけということ。
身内が行なう「監査」では、厳しい目は光らないというのが偽らざるところかもしれません。
苦しい経営事情
なぜ、歯科助手への違法行為の指示がなくならないか・・・それには、歯科医院の経営事情も背景にあります。
歯科医は医師と違い、大学病院に残るのはほんの一握り、勤務医として一生を終える人はほとんどいませんから、基本的に「個人で資金を調達し開業する」というのが原則となります。(中には、医療法人の雇われ院長というケースもありますが)
開業の際の高額な設備投資に引き換え、保険点数が低く、歯科医院の過当競争という背景もあり、経営は概ね苦しいのが現状です。なんでも、最近は銀行の「貸し渋り」の3本指に歯科医院が入るという話もあるくらいです。なぜかと言うと、開業しても廃院となって銀行にとっては「貸し倒れ」になるケースも多いからだとか。
そうなると、歯科助手や歯科衛生士を雇って診療を分担すべきところを、経費削減のため、資格手当てを払わなくて済む歯科助手を雇って、診療の一部まで任せるという選択肢を取る先生もいるわけです。
もちろん、どんな事情があれ、これは許されることではありませんし、そんなことは絶対にしないモラルの高い立派な先生もたくさんいらっしゃいます。雇う側と雇われる側は上下関係ではありません。歯科助手自身がしっかり自覚を持ち、「違法行為」をなくす方向に動き、信頼のできる雇用主を選んで働きやすい環境に身を置くようにしてくださいね!
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